| ニューマンを人に近付ける研究… 最初はそんな内容だったらしい 実験の副次的な結果として凶暴化が認められた、という情報がラボから軍に漏れてこのプロジェクトが発足したらしい。 私が作られた過程はこうだ。 約10年前、私と同じ目的で製造されたニューマン…つまり私のプロトタイプとでも呼ぶべき物が、 軍隊を相手に運用試験された…、しかしたった一名だけ生存者が居たらしい、 その生存者の手にかかりプロトタイプは機能停止、プロジェクトは大きな遅れを余儀なくされた。 しかし、研究者達は落胆する所か逆に狂喜したらしい。 名のあるハンターズや軍の重鎮を相手にしても圧倒できる程の性能を持っていたはずのプロトタイプが、 ただの一小隊長に過ぎない人間に敗退した事実、そしてその人間の体組織の一部を入手できた事… 以上の事実があったからだ。 かくして、その体組織からDNAを抽出して実験体に流用、そうして私が造られたらしい。 |
| 約2年前 |
| 私の記憶はここから始まる。 最初に目にした物は青い水…ここは水槽の中…ガラス越しに見えるのはよく解らない端末のモニターの光、 そして大勢の白衣を着た人達。 それから暫くして白衣を着た人達の中でも一番偉そうにしている人が私に言った。 「今日からお前の運用試験がはじまる、ハンターズとしてラグオル調査の任務につくんだ。」 その時のその人の目は忘れる事が出来ないだろう…私を物の様に見下した目だった… その後は毎日ラグオルと施設の往復…ラグオルの調査が終われば、施設でその日のデータを取るだけの毎日… そんな毎日を送っていたある日、自分の中に自分じゃない何かを感じた… その事を施設の人達に話すと、相手は興奮しながらも「大丈夫」と繰り返していた… その後、一度記憶が途切れた事があって彼らが興奮しながら「大丈夫」と言っていた意味が解った様な気がした。 そんな毎日だけど、色んな人と知り合えたし、何よりもハンターズとしての時間は「自由」だった。 自分のオリジナルにも会う事ができた(勿論その事は相手には秘密だけど) 彼は「自由」だった…いつも、そしてこれからもそうに違いない。 そんな彼を間近に見ていて、ふ…と思う事がある。 「私と彼の違いはなんだろう?」勿論種族も、性別も違うのだが根本的に何が違うのか?ということだ。 違いは解らない…もしかしたら、それが彼が自由で私が自由ではない原因なのかもしれない… もしかして私は「造られた存在」だから? そんな答えの出ない自問自答に苛立ちを覚える。 でも、彼の周りには素敵な人達が集まっている、その中に自分も混ざれるだけで満足だった。 そんなハンターズとしての日常が私には全てになっていた。 施設の中での私は偽り…ラグオルに居る間だけが真実の私…そう考えるようになってから一体どれぐらい経ったのだろう、 もう解らない…私はどうしたら良いのだろう…どこへ向かって行くのだろう… 今はただ、彼らとの関係に終わりの来ない事を祈るだけだ。 |